1.3 数値解析の手法



(3)数値解析の要点

 数値解析にあたっては,以下のような点に留意しましょう。

(a) いずれの方法も,微分方程式を離散的な変数間の

  
連立代数方程式に置き換えることに帰着する。


(b) 計算機の高速化により

  微分方程式を簡単に解けるようになったので,

  得られた
結果を安易に無批判に信じ込む傾向がある。


(c) 数学的な表現・モデルが
現象を的確に表現しているか,

  
近似方法は妥当かどうか,

  解くための
解法は適切かどうか

  等について注意すること。

■こんな場面も…

 数値解析を行う際,以下のようなこともありますが,

ぜひ,このようなことにならないよう気をつけましょう。


(a) 差分化により導入した粘性項と物性値としての
粘性項を同一視する。


(b) 全体としてほとんど
変化しない項を変数として取り扱うことで,


  処理時間の爆発を引き起こす。


(c) 解析対象とする実験・観測時間間隔と解析時の
時間間隔が大幅に異なる


 上記(b),(c)の場合,実際の現象の特徴等を検討し,

数式モデルの見直し,妥当な差分式の採用等について

検討する必要があります。