1.3 数値解析の手法



(2)離散化法の種類

 離散化の手法としては,以下のような方法が一般に使用されています。


 (a) 有限差分法 (Finite Difference Method:FDM)

 (b) 有限要素法 (Finite Element Method:FEM)

 (c) 境界要素法 (Boundary Element Method:BEM)


■有限差分法

 微分方程式を
有限間隔の差分で近似 する方法です。

[長所]  最も基本的な方法で
分かりやすい方法です。

[短所]  時空間を矩形領域で分割する必要があり,
      複雑な境界を
階段状に近似するので,
      
精度面で問題が生じることがあります。


■有限要素法

 解析する連続領域を,
多角形や多面体に分割し,

変分原理を用いて,各領域内で微分方程式を解く方法です。

[長所]  
色々な形状の領域に適用可能です。

[短所]  変分原理を用いるため,
      離散化式の直感的な意味を捉えるのが,
      困難です。


■境界要素法

 解こうとしている境界内で積分し, 積分定理を用いて

領域内の
境界における積分に変換する方法です。


[長所]・微分方程式を解析領域境界における
     
離散的な値の関係式に近似できます。

     ・解析領域の次元を下げることができるので,
     
計算処理の負荷が少なくなります。


[短所]・取り扱う偏微分方程式の
基本解が分かっている
     必要があります。

    ・離散化の過程が他の方法に比べて
複雑になります。


(用語)変分原理とは・・・


 微分方程式から得られる評価関数を最小にするような関数を用いる方法。