  
(2)離散化法の種類
離散化の手法としては,以下のような方法が一般に使用されています。
(a) 有限差分法 (Finite Difference
Method:FDM)
(b) 有限要素法 (Finite Element Method:FEM)
(c) 境界要素法 (Boundary Element
Method:BEM)
■有限差分法
微分方程式を有限間隔の差分で近似 する方法です。
[長所] 最も基本的な方法で分かりやすい方法です。
[短所] 時空間を矩形領域で分割する必要があり,
複雑な境界を階段状に近似するので,
精度面で問題が生じることがあります。
■有限要素法
解析する連続領域を,多角形や多面体に分割し,
変分原理を用いて,各領域内で微分方程式を解く方法です。
[長所] 色々な形状の領域に適用可能です。
[短所] 変分原理を用いるため,
離散化式の直感的な意味を捉えるのが,
困難です。
■境界要素法
解こうとしている境界内で積分し,
積分定理を用いて
領域内の境界における積分に変換する方法です。
[長所]・微分方程式を解析領域境界における
離散的な値の関係式に近似できます。
・解析領域の次元を下げることができるので,
計算処理の負荷が少なくなります。
[短所]・取り扱う偏微分方程式の基本解が分かっている
必要があります。
・離散化の過程が他の方法に比べて複雑になります。
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