1.2 誤 差



(2)有効桁の考え方

■測定装置の限界による誤差

 測定値の精度は 測定装置の最小桁の尺度で決まります。

ちなみに,51.5トンの石炭を0.1トンまで測れるハカリで

測ったとすると,このとき
有効桁は3桁という言い方をします。

たとえば,米国で用いられる単位ショートトンへの換算の場合,

    51.5×2000(lb/Ton)×453.5924(g/lb)
    =46,720,017.2(g)

となりますが,有効桁3桁ですから,4.67×107g とすべきです 。


■計算相手の桁数

 換算係数に4桁の453.6を用いると

    51.5×2000(lb/Ton)×453.6(g/lb)
    =46,720,800(g)

となり,有効桁3桁で切ると,4.67×107gで結果は同じになります。


■四捨五入と切捨て

 四捨五入と切捨てには注意が必要です。

  (a)
四捨五入 : 最終桁が5未満のとき切捨て,5以上のとき切り上げる
  (b)
切捨て  : 最終桁をすべて無視

 たとえば,1.9999を四捨五入すると2,切捨てると1になります。

平均すると,切捨てにおける最終桁の誤差は,四捨五入の2倍になります。

なお,
計算機では基本的に切り捨てであることに注意しましょう。